行動経済学「頼まれごとならがんばるが安い報酬ではやる気が失せる」

最近、行動経済学にハマってます。

学とはついていますが、面白い文庫本の類を楽しく読む類の遊びです。面白い著者の一人がDan Arielyさんで、まず読んだのが有名な『予想通りに不合理』です。紹介文はこれです。


「現金は盗まないが鉛筆なら平気で失敬する」「頼まれごとならがんばるが安い報酬ではやる気が失せる」「同じプラセボ薬でも高額なほうが効く」――。人間は、どこまでも滑稽で「不合理」。でも、そんな人間の行動を「予想」することができれば、長続きしなかったダイエットに成功するかもしれないし、次なる大ヒット商品を生み出せるかもしれない! 行動経済学ブームに火をつけたベストセラーの文庫化。


タイトルを回収します。人は(1)お友達や家族のためなら自分の時間を惜しまず使う「道徳規範」と(2)収入のための労働という「経済規範」というものがあります。例えば(1)お友達の誕生日会のお礼にお金をもらっても、嫌な気分でしょう?一方で(2)お金のためにつまらないバイトはやりますよね?お金を集めるという意味では不合理じゃないですか。このような人間の不合理を社会科学実験をして、統計処理により明らかにします。統計学というエビデンスを基に、”予測通り”に人間の”不合理”を説明できるのです!その他も面白いです。


楽しく読破できたので、続編の『不合理だから上手くいく』も読みました。さらに、『ずる』と『行動経済学人生相談室』も買いました。届くのが楽しみです。



遠からず近い分野に、データサイエンスがあります。

誰もが嘘をついている ビッグデータ分析が暴く人間のヤバい本性

という本が面白かったです。


内容紹介

実際人々はどれほどセックスをしているのか? 
アメリカには人種差別主義者がどれほどいるのか? 
ビッグデータで証券市場に勝てるのか? 
不況時に児童虐待は本当に減っているのか? 
本を買った人のうち何パーセントが読み終えるのか? 


先ほどの行動経済学ではエビデンスを取るための統計データとして、「実際の人間にオフラインでの実験に参加してもらうこと」により得ていました。一方で今の時代の統計は、「あなた方のあるいは私たちのGoogle検索ワードデータ」を基にも出来るのですね。そして、Googleデータからでしか言えない新しい知見があるのです。

例えば、地域ごとの検索ワードを基に、その地域住民が保守的か、革新的か予想します。あるいは、人種差別用語をよく使うか、そうでないか。このような内容をTrump大統領が勝利した選挙結果と重ねると、既往の出口調査や電話調査よりは正確に予測できると言うのです。

なぜか。たとえば、電話調査での「選挙に行く」といった人数より「選挙にいった人数」が明らかに少ないように、人々は人前では見栄を張ります。一方で、Google検索には、選挙場所を調べたり、候補者を調べたりします。選挙場所を調べる人が多い地域は投票率が高く、候補者の調べるときのワードや語順を基に投票先を予想できます。

筆者は、エビデンスのあるアプローチを取られていなかった競馬などではデータサイエンスは有効であるが、既存のよく研究された分野では強みを生かせないと締めています。


面白いですね。

理科好きなので理系分野の本ばかり読んでいましたが、このほかの社会科学分野にも手を出していきたいです。

気になっているのは、『銃 病原菌 鉄』や『サピエンス前史』ですね。中学の歴史の授業は退屈でしたが研究は面白いかもしれない。

他には、社会主義系のディストピアの成り立ちや行動などを全体的にサイエンスするような本があれば読みたいですね。社会主義ディストピアとして代表的な、ジョーオーウェルの小説が好きなんですよ。